2015年2月15日日曜日

スマホによる記憶の外部化から記憶維持支援へとシームレスに移行する

スマホやスマートウォッチの登場により、「記憶力」という言葉の定義が変わると思う。従来は、脳内記憶がすべてだったが、今後は脳内だけでなく、スマホや外部デバイスから、いかに早く情報を取り出せるかも含めて、総合的で実際的な記憶力がためされると思う。より正確には、記憶速度、記憶維持力、記憶再生力(応用力)みたいなものが出てくるのではないだろうか。更には、検索やメモ、ToDoから、オレンジアップルといった記憶の定着支援までシームレスに持ち込めること、入力の手間をかけずに、ポチれば記憶を助けるための目立った画像込みで暗記アプリに連携できることが理想である。今のところ、ここまで主張しているのは、知る限り私だけだが、少なくともスマホのよる記憶が外部化については、すでに複数の記事や書籍で指摘されている。

必要な情報を引き出せるように、1. 効率的な記憶の外部化と、2. それを引き出すための「上手な質問の作り方」の方こそ、現代の記憶術に必要なものなのです。
記憶力は暗記力ではない:「記憶 Hacks」佐々木正悟(技術評論社)

必読なのはこれらのツールを使いこなすうえで耕すべきなのが「メタ記憶」,つまりは「記憶に関する記憶」なのだということを説いている部分です。
記憶を外部に格納して,普段は安心して忘れていたとしても,必要なときに「忘れていたことを思い出せる」ようにしなければ意味はありません。そのために「思い出すべきことを引き出すキーワードを思いつけるか」が肝心になるのです。ネット時代の記憶術は「答えを導く質問を考えつくこと」,英語で言うなら,Asking the right questionだというわけですね。 
現代人に求められている「記憶力」とは単なる“暗記力”ではない!

 Wikipediaによれば、理研所属の脳科学者によってスマホによる記憶の外部化が主張されたようだが*、すでにリンク切れで詳細は不明である。これがSTAP騒動の影響かどうかはよく分からないが、タイミング的には一致しているようだ。実用的で意義深い指摘が脳科学者によりなされたのに、それが騒動と理研批判の影響で後退しないといけなくなったのだとしたら、残念なことである。

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