2015年5月19日火曜日

遺伝病と線維筋痛症について

線維筋痛症のウィキペディアを大幅な改稿を終えて、まだ、ご指摘を受けながら追記と修正を加えています。それでも、もう峠は越えたと思うので、そろそろ闘病記的に書いているものを仕上げないといけないはずなのですが、うまく集中できません。

もともと遺伝病を調べている立場としては、成人医療よりも小児医療、生殖医療よりの技術開発と普及を望む立場でした。しかし、線維筋痛症の平均的な発症年齢は43.8歳であり、こちらは完全に成人医療です。しかし、痛みという見えない障害であるために、医療制度の外に置かれている傾向が非常に強い疾患です。痛みのみなら普段の私は筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の重度に近いので、FMのステージⅠ程度の重症度しかありませんが、体を動かすとどんどんひどくなるため、過去の一時期にはステージⅣぐらいの痛みで寝れない日々を過ごしていました。また易疲労性もあります。その立場からは、やはり線維筋痛症の患者とすごく近い・・・というか、ドライアイや羞明、顎関節症といった副症状を含めると、もしかしたら、二次性の線維筋痛症なのかもしれません。

基礎疾患としては空腹時発作があるので、先天代謝異常の稀な例と思っていますが。

想像以上に、線維筋痛症に入れ込んでいるので、遺伝病の立場からものを言うのが難しくなりました。患者会というのは、利益団体的な傾向が強いと思うのですが、過去に会員にならせてもらっていた米国のPeriodic Paralysis Association(PPA)は相当にオープンであったと言わざるを得ません。やはり日本の患者会は閉鎖的で、ほとんどの活動は内部の人間のためのもの、情報はあまりただで外に出さないという傾向があるように思います。それが日本の普通の患者会の姿であって、線維筋痛症の患者会だけに限らないとはもちろん思っているのですが・・・。

小児医療、また新しく生まれてくる命を中心に据えた文章を、線維筋痛症という成人発症の難病との関連では書きにくいということなのですが、更にもう一つ難しくするのは、線維筋痛症には緩い遺伝性しかないということです。あまり遺伝の影響はなくて、2型糖尿病とかアレルギー性鼻炎の程度です。線維筋痛症と診断された患者の多くは、線維筋痛症自体の遺伝性に関心はなくて、関心を持っている場合というのは、他の遺伝性とみられる疾患と合併したり、子が何らかの患児である場合が多いです。

このような次第で、線維筋痛症を応援、また自分の症状がどの程度近いのか調べながら、遺伝病について作業をするのは、モチベーション的に非常にやりにくい状況となってしまいました。

ウィキペディアの中立の大方針のように、バランスをとってやっていけると精神的にはやりやすいのですが、ここまで制度の外に置かれてしまうと、線維筋痛症に関わりながら、政治的に中立を保つということも難しいのかもしれません。


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