2019年10月30日水曜日

生まれる前のDNA検査 - 科学的因果関係の追求ライン

pubooより転載です。

 [環境因子か遺伝因子か]の節で、迷った際には、その中間の半々という仮定を導入することで、極端な判断を避けるべきだと述べた。この仮定は、子にとって人生最初の、そして場合によっては最後の、遺伝学的意思決定である、出生前診断と中絶に対しても有効かもしれない。

 用語として、[遺伝学用語の混乱...]でまとめたように、遺伝病というとメンデルの法則で遺伝する単一遺伝子疾患を指し、遺伝性疾患というと遺伝病と染色体異常症を合わせて述べる。

 新型出生前診断の略称として、NIPTを用いる。新型出生前診断という名称は日本で名付けられたものであり、略称が存在しないため不便である。技術的な発祥の地である米国を始めとして世界中でNIPT(Non-Invasive Prenatal Testing)またはNIPD(同 Diagnosis)と呼ばれているため、ヒットカウントでは新型出生前診断の方が大きいものの、詳細な文献を探すことはできない。以下にグーグルを用いたヒットカウント分析の結果を示す。

"Non-Invasive Prenatal Testing" 約 65,200 件
"Non-Invasive Prenatal Diagnosis" 約 56,500 件
"Non-Invasive Prenatal" NIPT 約 23,900 件
"Non-Invasive Prenatal" NIPD 約 16,000 件

"新型出生前診断" 約 98,800 件
"新型出生前検査" 約 19,600 件
"無侵襲的出生前検査" 約 4,730 件
"非侵襲的出生前診断" 約 1,260 件
"非侵襲的出生前検査" 約 348 件
"無侵襲的出生前診断" 10 件
"非侵襲性出生前検査" 7 件
"無侵襲性出生前検査" 3 件

日本語と英語であまり対応しておらず混乱がみられる。診断と呼ぶか検査と呼ぶかは、微妙なニュアンスの違いで、一般的には診断の方が検査とカウンセリングの両方を含むことが多いのに対し、検査の方はカウンセリングを意識せず技術的意味で用いることが多い。本節ではその部分はあまり触れずに、短くて普及しているNIPTを用いたい。
  
 妊婦の血液採取だけで21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミーを検査できるNIPTが開始された。現状、都会の病院に何度も通院できて費用が支払える者に限るという条件がつくことは、後の節で、貧困層だけからトリソミーが生まれるという新しく導入される格差の課題として扱いたい。生命倫理の建前論から反対している知識人達も患児が生まれたら自分達が代わりに育てるとまで公言して反対している者は、知る限りいない。むしろ、生命倫理の観点から反対するのは全く逆ではないかという考えをまず最初に述べたい。

 「生まれたら」、と何気なく記してしまったが、常染色体トリソミーは生まれずに胎児までの段階で天に召される症例の方が多いのである。特に18トリソミーと13トリソミーはそうで、生まれても一歳の誕生日を迎えられる患児は僅かである。具体的には、18トリソミーで一歳の誕生日を迎えられるお子さんは10%と述べられている。13トリソミーについては20%†と読める。21トリソミーでは88~96%†と読める。トリソミーという疾患全体の基本的な特徴として、番号が若くなるほど重度である。つまり、重症度は21<18<13の順となっており、逆に患児の数は21>18>13となる。だから、13の方が18より1年生存率が高いというのは、おそらく、文献の記された国や年による影響であろう。近年になるほど日本の1年生存率はNICUの整備により伸びているはずである。Wikipediaでは情報が少ないので、18トリソミーの患児会と、13トリソミーの患児会へのリンクを示す。

 これ以外の常染色体トリソミーはなぜ存在しないのかという疑問が浮かぶが、重度すぎて出生まで至らず胎児の段階で天に召されること、つまり流産すると述べられている。トリソミーになっても症状が比較的軽度の遺伝子ばかりが載っている21、18、13だけが産まれることができた疾患として患児を数えられるという状況である。しかし、「比較的軽度」などと言うのは、とんでもない話で、様々な遺伝病と比較してもトリソミーの重症度は非常に重い方である。しかし、これらトリソミーが全て「症候群」と呼ばれている理由は、患児によって重症度に大きな幅があるためである。この理由は、推測だが、関与する遺伝子の数が染色体一本分ととても多いため、3本の染色体の上にのっている変異やSNPの相性によって、重症度に幅ができてしまうものと思われる。

 具体的にどのぐらい幅があるのかという画像検索の結果を示したいが、その前に、抗うつ剤を処方されている方々は、以下のリンクをクリックする前に、処方量を守って服用したことをご確認いただきたい。これからご両親になられる方々のうち、妊婦の方々は、画面から目をそむけた上で、先に男性の方に見るように促していただきたい。産婦人科医の方々は患者の心を守るという医師としての努めが半分、不妊治療を続けさせるという打算が半分でリアルを患者に伝えないが、私にはそういう義務はなく、その代わりにやはり科学的にどこまでがリアルなのかを追求した上で、後から過酷な科学的追求から心を救う方法を考えることにしている。私から見ると産婦人科医の方々は過保護すぎると思え、私も後から気付いたのだが、人の親になるにあたって、様々な病気と直面していかなくてはならないのである。どんな病気なのか、患児の姿をまず知らずに、文章による説明だけでNIPTを受けるかどうか考えるというのは無理がある。このような長い前置きを置くだけの理由があるとご理解いただいた方々だけ、クリックしていただきたい。



21トリソミーについては、詳しく別の節を設けるため、ここでは示さない。21トリソミーは全体的に比較的軽度なはずだが、心臓病といった画像では見えない部分の重症度が患児により幅がある。

 私は、様々な遺伝性疾患がヒトがここまで進化してきたことの代償を支払わされている、犠牲者であると主張している。おそらくこれはトリソミーといった染色体異常症にもあてはまるのではないかと思う。高齢になってから出産するとダウン症候群が増えるのは、男女が40歳近くにならないとめぐりあわないほど個体数が少なくなった状況であり、自然環境で考えると絶滅寸前である。環境に適応できずに絶滅を待っているこの状況では、種としての変化が求められるはずで、21、18、13トリソミーも他の遺伝性疾患と同様に進化の犠牲者であろうと思われる。つまり、進化的に都合がよいから染色体異常症という疾患が抑制されずに現在まで残ったのであろう。言わば、進化の代償として、我々には染色体異常症を引き起こす機構が内蔵され、多数が助かるためには、無作為に神の見えざる手により選ばれる少数が犠牲とならねばならないのであって、そういう意味で、社会は染色体異常症の患児に感謝して、支援の手を差し伸べていただいてもいいのではないだろうか。ただ、科学的因果関係として複雑なのは、ご両親の年齢に依存するという部分と、ご両親自身が何らかの染色体異常症を患っている可能性が存在する点である。これらは遺伝病も同じで、結局自身が検査を受けて、今後の妊娠がどうなるかを分かる範囲で調べ、それぞれのやり方で納得していくしかないであろうと思われる。[中絶による母体へのダメージ...]の中で、NIPTで陽性となった場合に次の妊娠が問題なく進む確率を検討する。

 ここまでで分かるように、実は、NIPTで21、18、13を分けて考えていないことで、混乱が生じている。確かに18と13は成人の患者が存在する21と比較すると人口として圧倒的に少数派なのだが、本著は希少疾患について調べている。もしかすると検査の申し込みの上では、21だけを受けないという選択肢が記されているのかもしれないが、検査費用としての21万円が安価になるわけではないため、選択肢が用意されていたとしても3つのトリソミーをまとめて受ける妊婦が多数であろうと思われる。18と13は、21と比較して非常に平均寿命が短く、奇形も多いため、21とはまた違った倫理的選択がありうるであろうと思われる。つまり、運がよく元気で、比較的長生きした患児のご両親のコメントだけが注目され、そもそも流産してしまってご両親とは呼ばれなくなった方々のコメントはほとんど注目されない。これは染色体異常症で際立ってはいるが、単一遺伝子疾患でも似た状況である。ダウン症候群全体の中の軽症例だけを我々は報道で知っているのであって、重症例ほど表に出ない。私は、本著の最初の方で約23000個の遺伝子に変異がばらけるから遺伝病は希少疾患となるのだと仮説を建てたが、おそらくトリソミーについても23対の染色体にほぼ同じだけ不分離による膨大な人数のトリソミーの患児が存在し、我々は出生した患児だけしか気にしていないということなのではないだろうか。生命の平等性に本当に着目し、胎児もりっぱな生命だから中絶はだめだと主張するならば、流産して生まれなかった胎児の数も統計から探し出してきて述べるべきなのである。そうしないのは、やはり、生命は卵子や精子に近いほど、手足を持つヒトの形をとっておらず、また中絶となった場合の痛みも感じにくいと考えられるからではないだろうか。

 したがって、18、13トリソミーについては、特に先述の画像検索の結果として示したような奇形が3D超音波で明らかに確認できた場合、ご両親が二度とあかちゃんを望まないほどショックを受けてしまう前に、また闘病に伴ってノイローゼを患う前に、なるべく早い段階で中絶をする方が適切とも考えられる。しかし、本著の冒頭で「科学はこころを救わない」と述べたように、ショックを受けたりノイローゼを患う場合というのは、科学的因果関係を追求する人たちだけの問題で、因果関係の追求を、次の妊娠の際にどういった問題が予想されるかだけに留めれば、乗り越えることが可能な問題でもある。具体的には、ご両親のDNA検査や染色体検査をして、産婦人科医が問題なしと言えば、それを信用して自分では必要以上に調べないことも、こころを守るための一つの選択と言える。しかし問題はもうひとつあって、母親、父親のうち、父親の方が理系の考え方をして因果関係と追求するために、母親の方が因果関係を追求したくないのに苦しむといった状況が、インターネットで疾患の情報を検索出来る時代になってから頻発していると思われ、また母親だけが因果関係の追求に拘る場合も、理系女子が増える時代なのだからありうると思われる。ご両親のうち因果関係の追求に拘らない方が、拘る方に、どこまで因果関係の追求を望むか、確認と念押しが必要であろうと思われる。

 もしも産婦人科医がよい人だったり、遺伝カウンセラーの方がいたりする場合には、どこまで拘るかという問題そのものにアドバイスを求めるのも一つの手である。どこまで拘るかを早めに合意しないことには、子の生まれに関することだけに、両親ともが包括的な知識がない中でむやみに真剣になり、最終的に離婚まで至った夫婦も多いはずである。[希少疾患全体の罹患率...]でも欧州の患者会による文書から別の遺伝性疾患の悲惨な例を示した。子が病んだままそんなことになった場合は悲惨だが、健常者の家庭でも稀に虐待といったことが起こっているこの社会ではそれが現実である。しかし、そんなことを調べても不愉快になるだけなので統計としては存在しないだろう。子の疾患の原因を自分ではなく夫や妻が原因と考えたり、逆に自分が原因と決めつけたりと、半分は科学的に真実なのでこれらは否定が難しく、「どこまで因果関係に拘るか」決めることが重要なのだと認識するまで時間がかかるのが普通である。私自身がそうであった。極端なことを言えば、最終的にどこまでもこだわれば心中という道しか残されなくなるため、早めに「このぐらいまでやって諦めよう」「あなたもこんなに調べたら気が済むでしょ」というラインを設けることが重要である。おそらく、これは中絶を選択した場合と選択しない場合の両方に当てはまる。

 NIPTに話を戻すと、将来の話だが、21トリソミーは患児数また成人した患者数が多くGWASやDNA検査に基づく比較が適用しやすいため、NIPTにより心臓病といったより細かい区分で重症度が判断できるようになる可能性がある。そういった場合に、やはり一つの基準として1年生きられる見込みが何割かという観点から、ご両親になるべく正確な予測確率をお伝えして、判断材料を提供すべきではないだろうか。21トリソミーはあまりにも長生きされている患児とそのご両親の声だけが前に出すぎている。4~12%の1歳を超えることなく天に召されたダウン症候群の患児の方が苦しく短い人生を歩んだはずなので、こういった予測が可能になるのであれば、これらは重症度としては18、13の方に近い症例ということになる。ダウン症候群を患っている方々の中には比較的軽度でも長く生きれば苦しいのだと考える方々もおられるかと思うが、自らが苦しいからこそ、なおさらそういった苦しみを新しい生命に味合わせるべきではないのではないだろうか。いずれにせよダウン症候群は、症候群であるので、重症度に大きなばらつきが大きいことを前提に、NIPTそのものも改善していくべきと考えられる。

 念のため、再度ご留意いただきたいのだが、私はNIPTに技術的には賛同するが、DNA検査としての技術面から調べれば調べるほど、NIPTが将来的に遺伝性疾患全体を対象とするであろうと技術予測ができるため、倫理的には、遺伝性疾患全体で一度は大反対をした方がいいと考える。詳しくは後々示したい。

新型出生前診断と着床前診断 - 技術的に◯、倫理的に☓

pubooが本年11月末日で閉鎖されることを知ったので、アマゾンのUNdiagnosedに掲載していおらず、pubooにしか残っていないページをこちらのブログに移動することにいたしましたm(__)m

 次の節から、新型出生前診断(NIPT)と着床前診断(PGD)について、DNA検査の観点から入ってかなり深くまで述べることになる。私自身が確定診断を得るためにシーケンシング結果を公表するという倫理的争点なので、もともと倫理の問題に本著は立ち入りやすく、次世代シーケンシングという同じ技術を用いているNIPTについても、当初予想していた以上に深入りすることになってしまった。本節では、最初に誤解なきよう、私が技術的にはNIPTやPGDに賛同しながら、倫理的には一時的に大反対すべきだと考える理由を述べる。

 最初に、本章は、全体として、これまでのDNA検査の章、感染症の章、進化の章といった章よりも、まとめるのが困難になっていることを認めたい。現在もまだ模索中の部分が多い。

 現状として、NIPTおよびPGDこそが、遺伝病および染色体異常の根本治療戦略であり、既存の患者を治療することはできないが、新しく生まれてくる生命を我々が味わっているような苦しみから開放することができる、唯一にして最大の手段である。ただしNIPTの方には中絶によるアッシャーマン症候群、PGDの方には1990年から始まったために生まれた子に成人病といった人生の後期に発症する疾患の罹患率が高いかどうか、未検証の部分がある。問題なのは、NIPTもPGDも日本では倫理的問題をかかえ、互いに倫理面で整合性がない。NIPTが学会基準により認可されるならPGDもまた透明性の高い基準で認可されるべきだし、その逆であれば、理想的には、どちらも法により禁止すべきである。現状は倫理よりもNIPTが採血で済むという効率性が前面に出たきわめて不公平な状態が発生している。もちろん国内で実施しないだけでなく、海外で受けた者、海外へ卵子や受精卵を送って受けた者に対する罰則も含めてである。犯歴さえ残れば効果的と考えられるので軽度の罰則で十分と考えられる。しかし、あくまで「理想的には」である。

 ダウン症候群の患児、患者の多さ、ひいては患者会としての活動力の強さが、NIPTとPGDの導入に暗い影を落としている。本著でNIPTとPGDが「間引き」であることを倫理的には強調するものだが、欧米でNIPTやPGDの技術が検証され完成されるにつれて日本との差が広がりつつあり、PGDの規制が結果的には、お金さえあれば国外でPGDを受けて健康な子を男女産み分けして産めると考える人口を、不妊治療に絡んで増やしている。長期的にはNIPTにもPGDにも反対し続けることは不可能であり、私はNIPTやPGDに対して一時的に大反対をして、NIPTやPGDによりダウン症候群の患児の出生が減ることで行政の支出が抑制される分を5割以上程度、ダウン症候群の患者か患者会に還元するように要求する方が現実的であろうと提案する。その大反対の際には、NIPTが将来的には全ての遺伝性疾患の間引きを対象とするであろうと技術予測ができるので、他の遺伝性疾患の患者会にとっても対象となるのは時間の問題であり、ダウン症候群と同じ立場なのだと訴えていくことを提案する。ただし、NIPTに全面的に反対すると、8~9割が1歳の誕生日を待たずに天に召される18トリソミーと13トリソミーの患児がNIPTへの反対運動により発生してしまうので、あくまで18と13トリソミーについては、NIPTに反対はしない、21トリソミーについてのみ反対している、18と13のNIPTを21のNIPTとセットにしているのは、行政と医師の都合であり、あくまで21トリソミーのNIPTについてのみ反対する姿勢を明確にしたほうがいいであろうと思われる。

 他の遺伝性疾患が一般に寝たきりになるのに対して、ダウン症候群は逆に元気になるという非常に特殊な存在である。私は自分の調べてきた様々な病気とダウン症候群を比較してある一つの仮説を建てた。ダウン症候群はヒトへの進化の途上に存在した染色体増加現象の主役ではないかという仮説である。つまりヒトとチンパンジーの共通祖先は、その前の種のダウン症候群みたいなお父さんとお母さんが産み、育てたのであろう主張して・・・みている。これがどのぐらい当たっているかは分からないが、調べてみるとカール・ユングを始めとして染色体が46本から48本へと増えることがヒトの進化であると考える学者は存在する。その中間である47本たるダウン症候群は、寝たきりではなく元気になる、生殖能力は特に男子では健常者より少ないが、それを補うかのように性欲が強い、つまり頻度で子孫を残そうとしているかのように思える。心臓といった臓器の問題さえなければ、自然環境では知能が低いのは現在ほど大きな問題ではなく、子供を産んで育てたのではないかと思われる。現在のように80年も生きることはなかったので、お父さんお母さんとしての役割を終えたら死んだところで、子を残したことが唯一で最大の成果だった時代の話である。心臓の問題もそれほど大きくはなかったのかもしれない。

 また、ダウン症候群を通じて46本から47本へ、47本から48本へと二段階で染色体を1対増やそうとすると、両方の場合で、半分異なる進化した姿の種を、産んで、育てるという行為が必要になる。私はこれが、ヒトの幅の広すぎる愛情の起源なのではないかと思う。なお、チンパンジーとヒトの共通祖先は48本で、ヒトに進化するときに2対が1対へと継ぎ足されて46本に戻った。本数は減ったが長さとしては増えている。愛情というのは、進化的には自分の子供に対してのみ発揮された方が生存のためには有利であるはずなのに、ヒトは他人の子にも愛情を覚え、さらにはイヌやネコといった異種までにも執着する。これは生存のためにはマイナスにしかならない。特に、子供が変なトカゲや蛇や小動物に興味をもって何となくかわいいと思って近づいた結果、噛まれて感染症や毒で死亡するといったことは自然環境では頻繁に起こったはずで、異種に対する愛情というのは進化的には害以外の何物でもない。長年、私の中でヒトの不必要に幅の広すぎる愛が謎だったのだが、半分進化して姿が変わった存在であるダウン症候群を愛さなければ生き残れなかったとすれば、説明可能である。つまり、我々はダウン症候群のことをかわいいと思うように言ってみればプログラムされていることになる。多少目の配置とかが違っても、それをかわいいと感じるように我々はできているのだろう。さらにダウン症候群のお父さん、お母さんも、半分異種である共通祖先を愛したから今日の我々が存在すると考えられる。二段階で異種への愛が試されたのではないだろうか。そう考えるとヨーロッパ人から見てダウン症候群の患児がアジア人のように見えたので、かつてモンゴロイドと呼ばれた†という事実と、[外国人ハーフによる小進化...]の節で述べているヨーロッパ人に近い人種のお父さん、お母さんからアジア人の姿の子が生まれた、そして可愛いから他の子よりがんばって育てたのが今日のアジア人なので、アジア人はより子供ぽくて親の愛を得やすい姿になったのだ、という仮説の間で、偶然ヨーロッパ人のダウン症候群の患児と我々アジア人が似たと考えるよりは、必然的に似たとも考えることができる。

 また、高齢妊娠・高齢男性授精をするという状況は、自然環境においては男女が巡りあうのに40歳近くまでかかったということになり、種の集団の個体の数が激減して、絶滅寸前の状態である。この状況でダウン症候群が高頻度で生まれてくるのは、絶滅寸前であることに対応して、進化を促進しようとしようとする作用が働いているのではないだろうか。こう考えると、単一遺伝子疾患と同じく、ダウン症候群が進化の犠牲者、必要悪である可能性は非常に高く、・・・もしも染色体としての進化を促進する存在であると、他の動物の似た例か何かが発見されて学術的に証明されたなら必要悪ではなく、まさに必要ということになるのだが。ともかく、進化の犠牲者ならば、進化の頂点として健康な生活を謳歌しているヒトの健常者の方々が、NIPTの対象として最初に指定されてしまったダウン症候群への助成の増額を認めてくれてもいいのではないだろうか。もちろん、最終的には他の遺伝性疾患もそうなった方がいいという思惑はあるが、ダウン症候群で無理なら他の遺伝性疾患でも無理であろう。

 ダウン症候群が染色体の進化の主役と考えると、ダウン症候群に罹患すると逆に元気になるという他の病気ではありえない特徴が説明可能である。過去において染色体が増える途中で、強くなければ次の種へと生命を繋ぐために生き残れなかったからだ。そうして元気という特徴をもってしまった結果、ご両親がご高齢になり病気になった際に、患者会が人を雇ってダウン症候群のお子さんのところに派遣するぐらいの費用は今後ますます必要になると思われる。これまではダウン症候群の患者のご両親同士で助けあって乗り切った部分が、若いダウン症候群の患者がNIPTにより増えなくなることで問題が深刻となるので、NIPTにより新しいダウン症候群の患児が増えないことによる行政の予算の抑制分を、全部ではなくとも半分ぐらいはダウン症候群の患者会が得るのは論理として通用すると思うのだ。行政と医師は新しい生命をダウン症候群から守るという倫理に基いてNIPTを導入し、倫理に基いていたからなし崩し的に導入が進んだのであって、ダウン症候群に対する行政の支出を抑制するためだとは一言も言っていない。ならば、結果的に行政の支出が抑制される分を、ダウン症候群の患者会の弱体化を補うために使うのは、問題がないはずということになる。そうならないならば、やはり「次世代の日本国民の間引き」であるNIPTとPGDは、どちらも国民投票により対象疾患として18、13トリソミーだけでなくダウン症候群を含むべきかどうか決めるべきであろう。

 この目的のために、多少は現在のNIPTの問題点を突くことが必要で、口にせずとも疑問に思っていることを取り上げた方がいいと思われる。現在日本ではNIPTとして一社独占の形で性能が悪くて値段が高いシーケノム社のNIPTが採用されている。しかしこの会社は、2009年に大きな不祥事を起こしている†。どうやらNIPTの治験成績を改ざんしたようである。こういった不祥事を起こしてまだ5年も経たずに復活して来るようなDNA検査会社は日本のNIPTコンソーシアムなどを通じて、医師にしかるべき何かを配っているのではないかと疑う方が自然であろう。もしも3D超音波装置などという金額はかかるが患者の利益にもなると思われる装置を配っていると、多少、どうすればいいか分からなくなるが。ともかく、不祥事から5年で完全復活して日本に1社独占で販売できてしまっているのは、何かを配っているのは間違いないであろう。

 技術的には長期的に考えてNIPTやPGDを支持・擁護し、倫理的には一時的に大反対をするという、私の立場は複雑だが、このようにして説明するための努力は行っているので、どうかご理解いただけると幸いである。

2016年2月25日木曜日

線維筋痛症の病院充実キャンペーンの経緯のご説明



毎年、欧米においては、慢性疲労症候群、線維筋痛症、化学物質過敏症の国際啓発デーである5月12日には、サンダークラップ*という、SNSを応用したシステムを用いて啓発が行われておりました*。言ってみれば、日本は欧米よりも諸疾患の周知が進まないにも関わらず、欧米並みの啓発活動を行う努力を怠ったままになっておりました。サンダークラップは、2月末日のレア・ディジーズ・デイ(RDD)にも欧米で実施されています*。

そこで、僭越ながら2015年には、空腹時に発作が起こるという理由から、線維筋痛症としては不完全型の身ではありますが、私が線維筋痛症のサンダークラップキャンペーン*を主催いたしました。その際に難病指定を視野に入れた内容にし、線維筋痛症友の会の「線維筋痛症患者救済に関する緊急要望書」*に準じたつもりだったのですが、キャンペーン自体は皆様のご協力のもと成功したものの、キャンペーン内容には問題があることが明らかとなりました。

もともと線維筋痛症は推定200万人と学会から言われているので、難病法による難病指定の条件人口比0.15%未満*(約20万人未満)の条件を満たしません。そこで緊急要望書では、重症度の最も高いステージVだけに限定して約6%、約12万人のみを、「重症型線維筋痛症」と名付け、先行して難病指定してもらおうという案を示しています。しかし、それで指定を受けたところで、線維筋痛症に対して保険適用となっているのがリリカとサインバルタのみであるため、この2つの薬剤についてのみしか助成されません。指定の後に保険適用の範囲を広げていくという努力が必要になって来ます。即効的にはメリットの少ない難病指定になるということです。

加えて、戸田克広先生からツイッター上で繰り返しご指摘を受けたのは、大学病院などの基幹病院が線維筋痛症の診療を避けているということの方が大問題であり、200万人の難病指定など国家予算の関係上通るわけがないという点でした。これもごもっともであり、保険適用の真っ当な拡大を含めて線維筋痛症を助成しようとすれば、確かに国家予算の関係上通らない話になるでしょう。

それを裏付けるように、私の所属している患者会であるイマイキの山中代表と、山田副代表が、東京まで出向いて厚生労働大臣政務官であった橋本岳衆議院議員に、直接面会をして伺った難病指定の見込みは、ほぼ絶望的であるという回答でした。国としては痛みという測定できず診断基準の確立しにくい諸疾患のために、難病指定に比すれば遥かに少額であるものの、慢性の痛み対策事業*を計上して、対策にあたっているという認識であるため、線維筋痛症を難病指定するつもりは一切ないとのことでした。

このような経緯で、2016年のキャンペーンは、啓発だけでなく請願を目的とするものの、難病指定については保留して、病院充実の問題に焦点を絞り込むことに致しました。戸田先生からは難病指定という無理な要求を含むことで、病院充実という要求も扱いが低くなってしまうというご指摘*をいただきまして、キャンペーンには難病指定という文言は一切含んでおりません。

すでに500筆を超えております。このチャンスを無駄にすることだけは避けたく、正直なところ、私が倒れても大丈夫なように、イマイキの山中代表には私のフェイスブックのIDとパスワードをお預けし、最悪の状況下でもキャンペーンが運営されるように準備してのキャンペーン運営に臨んでおります。

全体的に諸事情が絡みあい、ややこしいことになってしまいましたが、今後共、線維筋痛症の病院充実キャンペーンにご理解、ご協力のほどお願い申し上げます。

2016年1月28日木曜日

『無効なメルアドでもフェイスブックを経由すれば署名できる』

電子メールアドレスがフリーメールや、AUのメールアドレスでは、以下のようなエラーが発生します。
この場合、お手数ですが以下のどちらかで対処をお願いいたします。

「PC版」(こちらの方が確実です)

「スマホ版」

・・・度々の加筆、申し訳ありません。ここでまとめて示すことにいたしました。新しく分かった要点としては、change.orgにログインする際に、change.orgのIDとパスワードを入力するのではなく、フェイスブックでログインする必要がある点です。

PC、スマホ、いずれの場合も、賛同の操作が完了すれば、[キャンペーンをシェア]の表示が出ます。今後共、キャンペーンのシェアをよろしくお願い申し上げます。

『無効なメルアドでもフェイスブックを経由すれば署名できる』(PC版)


PCから、どんな電子メールアドレスでも賛同の操作ができる手順です。PCからの操作の方が、スマホでの操作より確実です。Android4.1.2ではフェイスブック連携ができませんでした。
電子メールアドレスでエラーが出る場合、電子メールアドレスをフェイスブックの[設定]メニューから登録してください。
登録後に本人確認用のメールが登録した電子メールアドレスに届きますので、それに記された手順に従って本人確認を行ってください。


change.orgにログインしている場合は、一旦ログアウトします。


再度ログインします。


今回のログインでは、IDとパスワードを入力するのではなく、[Facebookでログイン]をクリックします。


キャンペーンページへと戻ります。


キャンペーンページが古いログイン状態のままになっているので、ページを更新します。


再度、賛同の操作を行います。そうするとGMail(Google Mail)のメールアドレスでも賛同の操作ができました。

スクリーンショット (30).png
画面の右側に[キャンペーンをシェア]が表示されたら、問題なく賛同の操作ができたことを示しています。今後共、キャンペーンのシェアをよろしくお願い申し上げます。

2016年1月27日水曜日

『無効なメルアドでもフェイスブックを経由すれば署名できる』はず(スマホ版)

change.orgにどんなメルアドでも署名するための方法を、PCに引き続いてAndroid版フェイスブックで操作してみました。
フェイスブックにメルアドを登録すればいいので、以下の手順でいけるのではないかと思います。






追加した後に本人確認用のメールが登録した電子メールアドレスに届きますので、それに記された手順に従って本人確認を行ってください。
次に、ブラウザからキャンペーンページを開いてください。もしも既にchange.orgにログインしている場合はログアウトしてください。その後、キャンペーンページに戻ってから、ページを更新して、署名すればいけるはず・・。
ただし、Androidが4.1.2といった古いバージョンだとフェイスブック連携そのものがうまくいかなかったので、その点注意が必要です
。また、複数署名するわけにいかないため、うまく検証ができず、他の原因でうまくいかない場合もあるかもしれません。お手数おかけして申し訳ありませんm(_ _)m

Screenshot_2016-02-09-09-51-22.png
画面の最下部に[キャンペーンをシェア]ボタンが表示されたら、問題なく賛同の操作ができたことを示しています。今後共、キャンペーンのシェアをよろしくお願い申し上げます。

2015年8月25日火曜日

Amazon Kindleで無料出版した闘病記「UNdiagnosed」のアップデートについて

Amazon Kindleで闘病記「UNdiagnosed」を前半部分のみへと大幅に削って無料出版したものの、誤字脱字、図の位置調整などでご不便をおかけしております。

すでにKindle版をお読みいただいた方に、訂正版を入手していただく手順は少し複雑なのですが、より適切な内容へと訂正していくべく努力いたしますので、ご協力をよろしくお願いいたします。


「コンテンツと端末の管理」の「設定」タブで、「コンテンツの自動更新」の設定が「オン」になっている読者様には、訂正されたバージョンが自動で送信されます。


但し、このとき、ブックマーク等の情報がクリアされてしまうので、それがご不便な場合は設定をオフにしておく必要があります。主なブックマークの節名をメモるなど、クリアされても大丈夫な状況下で、以下の操作をしていただく必要があります。

Amazon.co.jp の「コンテンツと端末の管理」ページの「コンテンツ」タブで「アップデートがあります」をクリックすることで、本のコンテンツを更新できます。

自分の著書ではアップデートの通知は出ないので、某有名マンガの例で示しました。

「UNdiagnosed」は根拠を固めるためにリンクを多用した情報書籍というべきものです。どうしてもアップデートは避けられない部分があると思われるため、ご理解ご協力のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

追記:Kindle for PCでWikipedia日本語版へのURLが化けるという現象が発生しています。Kindle Previewerでは起こっていないので、Kindle for PC特有のバグではないかと思われ、手のうちようもなく、ここで報告する次第です。